こんにちは。積水ハウス検討ガイド、運営者のマコトです。
三井ホームの展示場やカタログを眺めていると、「ヴァンス(VENCE)」という商品名が目に入ることがあります。「サロンのある暮らし」というコンセプト、フランス南部の地名に由来するネーミング——普通の住宅商品とは一線を画すような世界観が、デザイン志向の方の目を引くのは自然なことだと思います。
とはいえ「ヴァンスって実際どんな家なの?」「坪単価はいくらくらいになるの?」「どんな間取りが実現できるの?」という疑問が続くのも当然です。この記事では、宅建士として住宅の費用・仕様まわりを見てきた私(宅建士マコト)が、ヴァンスの特徴・坪単価の目安・向き不向きを整理してお伝えします。
この記事を読むとわかること
- ヴァンス(VENCE)のコンセプトとデザインの背景
- 象徴的な間取り要素(吹き抜けリビング・サロン・ヌック)の特徴
- 坪単価の目安と価格に影響する要素
- ヴァンスが向いている人・他社との比較の考え方
三井ホームのヴァンスのコンセプトと特徴
ヴァンスという商品が何を目指しているのか、まずコンセプトと特徴を理解しておきましょう。商品の背景にある考え方を知ることで、坪単価や間取りの判断もしやすくなります。
ヴァンスのコンセプトとデザインの特徴

VENCE(ヴァンス)は、2016年4月7日に三井ホームが発売したフリー設計の住宅商品です。商品名はフランス南部コートダジュールに隣接する地名「ヴァンス(Vence)」に由来しており、優雅なフレンチテイストの外観と感性豊かな暮らしをイメージしたコンセプトとされています。
デザインコンセプトは「サロンのある暮らし」です。18世紀フランスの上流階級が社交の場として使っていた「サロン」——知識人・芸術家・友人が集まる上品な社交空間——を現代のライフスタイル向けに再解釈した「モダンロココ」様式を採用しているとされています。趣味の教室を自宅で開きたい方、人をおもてなしする暮らしを楽しみたい方を主なターゲットにした商品です。
単に「おしゃれな家」というだけでなく、「どんな暮らしをしたいか」というライフスタイルへのビジョンが商品の核にある点が、ヴァンスの特徴のひとつです。そのため、デザインより機能性・コストを重視する方よりも、空間のコンセプト・世界観に共鳴する方に支持されやすい商品と言えるかもしれません。
構法の土台は三井ホームのプレミアムモノコック構法(2×6工法)です。高い断熱性能・気密性能を持つ構造の上に、ヴァンス独自のデザインを乗せる形になります。外観・内装のデザインは自由設計でカスタマイズできるとされており、画一的な間取りではなく、施主の暮らし方に合わせたプランニングが可能とされています。
宅建士マコトからの確認事項:「サロンのある暮らし」というコンセプトが自分のライフスタイルに合うかどうかが、ヴァンスを選ぶかどうかの最初の判断軸になります。デザインに惹かれて検討を進める前に、「自宅に人を招く暮らし方を実際にするか」を自問してみてください。
象徴的な間取り要素

ヴァンスには、他のハウスメーカーの商品ではなかなか見かけない、個性的な名称の空間要素が登場します。それぞれの空間がどんな役割を担っているのか、整理しておきましょう。
まず「高さ5mの吹き抜けリビング」は、ヴァンスの象徴的な空間として繰り返し登場する要素です。一般的なリビングの天井高が2.4〜2.6m程度であるのに対し、5mの吹き抜けは圧倒的な開放感を生み出します。上階の廊下から吹き抜けを眺める構図、シャンデリア風の照明が見上げる視線に映える演出——こうした立体的な空間体験が、ヴァンスの世界観を体現しているとされています。
「サロン」は、趣味の教室や来客をもてなすために設けられた専用の部屋です。リビングとは切り離された独立した空間にすることで、自宅で教室を開いても日常の生活空間と干渉しない設計が可能とされています。「アトリエサロン」という呼称も登場し、レッスン後にダイニングに移動して談笑できる動線が意識されているとされています。
「ヌック」は、家族のプライベートな居場所として設けられる小さな空間です。本を読む・音楽を聴く・静かに作業するといった個人の時間を過ごすためのこもり場のような位置づけとされています。大きなリビングと対照的に、こじんまりとしたプライベートな居場所があることが、ヴァンスの空間設計の面白さのひとつです。
「コージーコーナー」は外観からも印象的に見える小空間で、建物の外観に個性を与えながら、室内では居心地の良いコーナー空間として機能するとされています。ヴァンスの発表時に示されたモデルプランの一例では、建築面積128.55㎡(38.88坪)・延床面積219.97㎡(66.54坪)という大型の実例が提示されています。ただし、これはあくまで発売時点のモデルプランの一例であり、全ての施主が同じ規模になるわけではありません。フリー設計のため、施主の敷地・要望・予算に合わせたプランニングが前提です。
ポイント:吹き抜けリビング・サロン・ヌック・コージーコーナーといった名称付きの空間は、ヴァンスの世界観を具体的に体験できる要素です。ただしいずれもフリー設計の範囲での実現であり、敷地や予算によって実現できる内容は変わります。
ZEH対応と構造・性能の特徴
ヴァンスはデザイン性の高さが注目されがちですが、構造・性能面でも三井ホームの基本性能が土台になっています。
構法はプレミアムモノコック構法(2×6工法)です。2×6インチの木材を使った枠組壁工法で、2×4工法(一般的な北米規格の工法)よりも壁の厚みがあるため、断熱材を充填できる空間が増え、高い断熱性能を実現しやすい構法とされています。三井ホームはこの工法を長年採用してきており、ヴァンスもこの構法の延長線上にあります。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)バージョンも用意されていると言われています。プレミアムモノコック構法の断熱・気密性能に、省エネ・創エネ仕様(太陽光パネルなど)を組み合わせてZEH基準をクリアすることを目指せるとされています。ただし、ZEHとして認定を受けるためには太陽光パネルの搭載容量・方位・間取りなどの条件があり、建設地や建物形状によって調整が必要になります。
全館空調(スマートブリーズ)との組み合わせについては、高さ5mの吹き抜けリビングのような立体的な空間でも家全体の温度を管理できるというメリットがある一方、大空間は空調効率に影響する場合もあります。全館空調の仕組み・費用・メンテナンスについては別途詳しくまとめています。三井ホームで全館空調も検討している方は、三井ホームの全館空調スマートブリーズの費用とカビ対策をまとめた記事もあわせてご確認ください。
補足:ヴァンスで吹き抜けリビングを採用する場合、全館空調との組み合わせが特に有効とされることが多いです。大きな吹き抜けは個別エアコンでは効率よく温度管理しにくい空間のため、導入の検討が現実的かどうかも担当者に確認してみてください。
三井ホームのヴァンスの坪単価の目安と積水との比較
デザインや間取りの特徴を理解したうえで、次に気になるのは費用です。坪単価の目安と、価格に影響する要素を整理します。積水ハウスなど他社との比較の視点も含めて見ていきましょう。
ヴァンスの坪単価の目安

ヴァンスの坪単価について調べると、「95万円」という数字が出てくることがあります。この数字が何を指しているのかを正確に理解しておくことが大切です。
95万円(税抜)という数字は、2016年のヴァンス発売時に発表されたプロトタイプモデルハウスの仕様(施工延床面積232.54㎡・約70.34坪)に基づく1事例の坪単価です。これは2016年時点の特定のモデルプランに基づく数字であり、現在の相場・一般的な施主の建築費の目安とはずれがある可能性があります。資材価格・建築コストは年々変動しており、2016年以降の上昇も考えられます。
三井ホーム全体の坪単価については、調査時期によって数字に幅があります。2025年時点の住宅メディアの調査では平均89.3万円程度という情報がある一方、2026年に入ってからの情報では、資材価格の高騰(いわゆるウッドショック以降の木材価格上昇)や断熱等級6の標準化などを背景に、平均坪単価が130万円程度まで上昇しているという情報も見られます。三井ホームには自由設計に近い「オーダー」系のラインと、規格化された「セレクト」系のラインがあるとされ、後者であれば100万円を下回るケースもあるようです。ヴァンスはフリー設計・デザイン性の高い「オーダー」系に近い商品のため、130万円という直近の平均に近い水準になる可能性も踏まえておいた方がよさそうです。
坪単価はあくまでも「本体工事費÷坪数」の目安です。土地代・付帯工事費・設計費・諸費用を含む総額とは異なります。ヴァンスの導入を本格的に検討する段階になったら、担当者に詳細な見積もりを依頼し、総額ベースで判断することをおすすめします。
| 情報源 | 坪単価の目安 | 条件・注意 |
|---|---|---|
| ヴァンス発売時プロトタイプ(2016年) | 95万円(税抜) | 発売時点の特定モデルの1事例。2016年当時の情報 |
| 三井ホーム全体の平均(2025年調査) | 89.3万円程度 | 住宅メディアの調査例。商品・仕様により変動 |
| 三井ホーム全体の平均(2026年時点の情報) | 130万円程度 | 資材高騰・断熱等級6標準化等が背景とされる。オーダー系はこの水準に近い可能性 |
注意:坪単価95万円は2016年の発売時に公表されたプロトタイプモデルの数字です。現在の実際の建築費の目安とは異なる可能性があります。現在の費用感は担当者からの最新見積もりで確認するのが確実です。
💰 宅建士マコトより
デザイン性の高いフリー設計の家を検討しているなら、建物本体の費用をどこかで抑えられるかどうかも重要な視点です。積水ハウスを比較候補に入れている方へ、参考としてお伝えします。
オーナー紹介ルート経由なら建物価格の3%以上の割引が期待できます。例えば、3000万円なら約90万円、4000万円なら約120万円の割引が期待できるため、デザイン自由設計の費用を比較するうえでの一つの判断材料になります。
価格に影響する主な要素
ヴァンスの坪単価・総額は、複数の要素によって変わります。担当者と打ち合わせを進める前に、価格が変動する主な要因を把握しておきましょう。
まず「建築エリアと敷地条件」です。地盤の状況・敷地の形状・接道状況によって基礎・地盤改良工事の費用が変わります。都市部と郊外では建設費そのものにも差が出ることがあります。
次に「仕様グレードの選択」です。外壁材・屋根材・内装材・設備機器のグレードによって費用は大きく変わります。ヴァンスのデザインコンセプトに合った上質な仕様を選ぶほど、総額は上がりやすくなります。
「全館空調(スマートブリーズ)の導入」も費用に影響します。吹き抜けリビングのある大空間では個別エアコンよりも全館空調が使い勝手が良いケースが多いとされますが、全館空調の初期費用として200〜400万円程度が加わる可能性があります。
「ZEH仕様の選択」も費用に影響します。ZEHバージョンでは太陽光パネルの設置・蓄電池・高効率設備の導入が必要になる場合があり、その分の費用が加算されます。一方で補助金の活用によってコストを抑えられる場合もありますので、担当者に最新の補助金情報を確認してください。
補足:ヴァンスはフリー設計商品のため、「最低限これだけかかる」という標準仕様の費用と、「こだわりを盛り込んだ場合」の費用の差が大きくなりやすい商品です。予算の上限をあらかじめ担当者と共有しておくと、プランニングがスムーズになります。
ヴァンスが向いている人・向かない人
ヴァンスは独自のコンセプトを持つ商品ですが、すべての方に最適というわけではありません。向き不向きを整理しておくと、検討の方向性が見えやすくなります。
ヴァンスが向いている人
「自宅で趣味の教室を開きたい」「人を招いておもてなしをする暮らしがしたい」という具体的なライフスタイルのビジョンがある方には、サロンやアトリエサロンという空間の提案が刺さりやすいかもしれません。フランスのインテリアや上品なヨーロッパテイストのデザインが好きな方、大きな吹き抜けのある開放的なリビングに強い魅力を感じる方も、ヴァンスのコンセプトと相性が良いといえます。また、デザインの自由度を重視しながら、三井ホームの高い構造性能(プレミアムモノコック構法)のうえで家を建てたい方にも向いています。
ヴァンスが向かない可能性がある人
コストパフォーマンスを最優先に考える方、フランステイストのデザインよりシンプルなモダン・和風の外観を好む方には、ヴァンスのコンセプトが合わないケースもあります。また、延床面積を抑えてコンパクトに建てたい方の場合、吹き抜けやサロンなどの空間を設けると居住スペースが圧迫される可能性もあります。
重要なのは「ヴァンスのコンセプトが自分のライフスタイルに本当に合うか」を検討前に確認することです。商品名のおしゃれな響きに惹かれるだけでなく、「サロン空間を実際に使うか」「吹き抜けリビングの掃除・空調コストをどう考えるか」まで含めて判断することをおすすめします。
宅建士マコトからの確認事項:ヴァンスはコンセプトに強い個性があります。「これだ」と感じた方には大きな満足感を与えてくれる商品ですが、「なんとなくおしゃれそう」という理由だけで選ぶのは慎重に。コンセプトに共鳴できるかどうかが、長く住んで満足できるかどうかの分かれ目になりやすいです。
積水ハウスのデザイン自由設計とも比較を
デザイン性の高いフリー設計を求めているなら、三井ホームのヴァンスだけでなく積水ハウスなど他社の自由設計商品とも比較することをおすすめします。各社の自由設計はコンセプト・構法・価格帯がそれぞれ異なります。
積水ハウスにも自由設計を基本とした商品ラインがあり、外観デザインや内装の自由度は各社で特徴があります。「ヴァンスのようなエレガントな世界観が好きだけど、他社にも同様の提案がないか確認したい」という方は、複数社で展示場を回り、実際の空間を体感したうえで比較することが重要です。
各社の特徴を比較する視点については、積水ハウスと他社ハウスメーカーを比較した記事もご参照いただけます。また、積水ハウスの坪単価の目安と考え方をまとめた記事と合わせて見ることで、費用面での比較もしやすくなります。
積水ハウスを比較候補に入れていて、まだ展示場に行っていない段階の方は、オーナー紹介ルートを事前に確認しておくことをおすすめします。建物価格の3%以上の割引が期待できるルートで、展示場でアンケートを記入して担当者が付いた後では基本的に対象外になります。ヴァンスと積水ハウスを並行して比較している段階だからこそ、動けるタイミングです。詳しくはこちらの紹介ルート確認ページをご覧ください。
ポイント:デザイン性の高いフリー設計を求めるなら、一社の提案だけで決めずに、積水ハウスをはじめ複数社の展示場を実際に訪れて空間を体感することが大切です。カタログと実物では印象が変わることも多いです。
三井ホームヴァンスの特徴と坪単価まとめ
ヴァンス(VENCE)についてここまでお伝えしてきた内容を、要点として整理します。
ヴァンスは2016年に三井ホームが発売したフリー設計商品で、「サロンのある暮らし」をコンセプトにしたデザイン志向の高い住宅商品です。商品名はフランス南部コートダジュール近郊の地名に由来しており、モダンロココ様式のデザインを採用しているとされています。構法の土台はプレミアムモノコック構法(2×6工法)で、ZEHバージョンも用意されています。
間取りの特徴としては、高さ5mの吹き抜けリビング・来客おもてなし用のサロン・プライベートなこもり場としてのヌックなど、個性的な名称付きの空間が挙げられます。いずれも発売時に示されたモデルプランの一例であり、フリー設計のため実際のプランは施主の敷地・要望・予算によって異なります。
坪単価については、2016年発売時のプロトタイプモデルで示された「95万円(税抜)」という数字がありますが、これは当時の1事例です。現在の相場は情報源によって幅があるため、最新の見積もりで確認することが不可欠です。デザイン性と自由設計を重視するなら、積水ハウスなど他社とも比較しながら判断してください。
よくある質問
Q. 三井ホームのヴァンス(VENCE)とはどんな商品ですか?
2016年4月に三井ホームが発売したフリー設計の住宅商品です。「サロンのある暮らし」をコンセプトに、フランス南部の地名に由来するネーミングとモダンロココ様式のデザインを採用しています。プレミアムモノコック構法(2×6工法)を構造の土台とし、趣味の教室や来客をもてなす空間を自宅に持つ暮らしを提案する商品です。
Q. ヴァンスの坪単価はいくらですか?
2016年の発売時に公表されたプロトタイプモデルハウスでは95万円(税抜)という数字がありましたが、これは2016年時点の特定モデルの1事例です。現在の費用は情報源によって幅があり、2025年調査で平均89.3万円程度、2026年時点の情報では資材高騰等を背景に平均130万円程度という数字も見られます。実際の費用は担当者から最新の見積もりを取って確認するのが確実です。
Q. ヴァンスの間取りの特徴は?
発売時のモデルプランでは、高さ5mの吹き抜けリビングが象徴的な空間として紹介されています。また、来客おもてなし用の「サロン」「アトリエサロン」、プライベートなこもり場としての「ヌック」、外観からも印象的な「コージーコーナー」といった個性的な空間要素が特徴とされています。いずれもフリー設計で対応するため、実際の間取りは施主の要望・敷地・予算によって異なります。
Q. ヴァンスはZEHに対応していますか?
ZEHバージョンが用意されていると言われています。プレミアムモノコック構法の断熱・気密性能に省エネ・創エネ仕様を組み合わせてZEH基準をクリアすることを目指せるとされています。ただしZEH認定を受けるためには太陽光パネルの搭載容量・方位・間取りなど条件があり、建設地によって調整が必要です。詳細は担当者にご確認ください。
Q. ヴァンスは誰に向いていますか?
自宅で趣味の教室を開きたい方・来客をおもてなしする暮らしが好きな方・フランステイストのエレガントなデザインに強い魅力を感じる方に向いていると言われています。一方、コストを優先したい方・シンプルなデザインを好む方には合わない可能性もあります。コンセプトへの共鳴度合いが、ヴァンスを選ぶかどうかの大きな判断軸になります。
最初の接触方法で交渉条件が変わるケースは珍しくありません。